マーケティングにおける『対立』の意味

まずはこれまでの講義内容のおさらいからはじめます。

マーケティングとは「セールスを不要にするもの」であることはModule8の最初の講義ですでにお伝えしました。

「セールスを不要にする」とは具体的には、見込み客の心理状態を「いつか買おう。」という状態から「今すぐ欲しい」という状態に変化させることです。

そして見込み客の心理状態を変化させるためにやるべきことというのは、「対立を強めること」です。

つまりマーケティングでやるべきことを一言でいうならば「見込み客を『今すぐ欲しい』という状態にするまで対立を強めること」です。

しかし実際問題として、マーケティング初心者にとって『対立を強める』ということは一筋縄ではいかない作業です。

残念ながらマーケティング初心者が見込み客の対立を強めようとすればするほど、見込み客から「あなたの話なんて聞きたくない」と嫌われてしまうことが多いのです。

ではなぜ???マーケティング初心者が対立を熱心に強めようとすればするほど、見込み客から嫌われてしまうのでしょうか?

見込み客からの反発

Module7の講義で「対立」について解説しましたが、実は、、、、、セールスにおける「対立」とマーケティングにおける「対立」では認識の仕方に少しズレがあるのです。

セールスにおいては対立は堂々と主張すべきなのですが、マーケティングの段階においては対立は堂々と主張すべきではありません。

例えば、セールスの段階で「お金がないのは辛くないですか?」とか、「このままではお金の不安から抜け出せませんよ?」と主張するのはアリです。というかやらなければいけません。

しかしマーケティングの段階でそれをやっていまうと、見込み客はあなたから一目散に逃げる可能性の方が高いです。なぜならば見込み客はあなたの主張になじみがないからです。

もう少しわかりやすい例を挙げましょう。わたしはセールスの段階では、以下のようなメッセージを見込み客に投げかけました。

  • 芸能人の覚せい剤問題や不倫騒動など、好奇心をそそるだけで何の役にも立たない情報よりも、自分とその家族がRICHになるための情報収集に時間を使いたくありませんか?
  • マスコミ(新聞・TV)では決して報道されない情報の裏側や真実の情報を知りたくありませんか?

おそらくセールスを受けたほとんどの人が「そうしたい」と思ったはずです。(だからこの教材をチェックしている人も多いのだと思います。)

しかし以上のようなメッセージを初対面の人に投げかけたらどうなるでしょうか?

おそらく「なにをいっているんだろう?この人は?」と思われてしまい、その時点でセールスは失敗してしまうでしょう。

ではいつのタイミングで「そのこと」を伝えればいいのでしょうか?

ここでいう「そのこと」とは具体的には、「テレビを真剣に視聴してもRICHになるどころか貧乏になる」という信念のことです。

答えはもちろん「マーケティング」の段階です。しかし繰り返しになりますが、マーケティングの段階でストレートに「テレビを真剣に視聴してもRICHになるどころか貧乏になる」とは主張しません。

なぜ?伝えたいことをストレートに伝えてはいけないかというと、、、、もちろん答えは(繰り返しになりますが)、世間一般では珍しい(少数派の)主義主張は、多くの人の反発を招いてしまうからです。

ではどのようにして「そのこと」を伝えれば、見込み客からの反発をかいくぐることができるのでしょうか?

新しい視点を提供する

わたしが就職活動のためにOB訪問に明け暮れていた遠い昔の話です。

某広告代理店でクリエイターの仕事をしていたOBに「広告代理店でどんな仕事をしているんですか?」と質問したら「新しい視点を提供すること」という答えが返ってきました。

わたしがキョトンとした顔をしているのを見かねたOBは、わたしにとてもわかりやすい事例を教えてくれたので、あなたにも共有したいと思います。OBはわたしにこういいました↓↓

「今目の前のこのコップに水が半分入っているよね?一つの見方では『半分も』水が入っていないと考えることもできるし、もう一つの見方では『半分しか』水が入っていると考えることもできる。これが新しい視点を提供することの意味だよ。」と。

どうでしょうか?伝わったでしょうか?

このOBが伝えたかったことはおそらく、「目の前の現実よりも大事なことは「現実をどう認識してもらうか」だ。」ということです。

わかりずらいかもしれないのでもう少しかみ砕いて説明します。

目の前のコップに「水が半分も入っている。」と認識している人の心の中は平和な状態です。心の中が平和な状態なので、おそらく何もしないでしょう。

その一方で目の前のコップに「水が半分しか入っていない。」と認識している人の心の中は平和ではありません。心の中がざわついているので、そのざわつきを解消するために何かしらの行動をするでしょう。

つまりマーケティングの初期段階でやるべきことは「コップに水が半分『しか』入っていませんね。」と伝えることなのであって、「コップに水が半分しか入っていないから水を入れないとマズイですよね?」と伝えることではないのです。

初心者マーケッターは、この微妙な違いを理解せず、直接的な対立を叫び続けてしまうのです。だからこそセールスで惨敗するだけでなく、マーケティングでも見込み客を顧客に近づけるどころか遠ざけてしまうという残念な結果を招いてしまうのです。

最後に

あなたは常にネガティブな発言をする人と仲良くなりたいでしょうか?おそらく答えは「ノー」のはずです。

もしあなたに「そんな話聞きたくないよ。」という報告ばかりする部下がいたらどう思うでしょうか?おそらく高評価は与えないはずです。

そうなんです。あなたは単なる悪いニュースの運搬人になってはいけないのです。もしあなたがマーケティングを成功させたいなら、あなたは「新しい視点の伝道師」にならなくてはいけないのです。

新しい視点を提供するだけでいいのです。くれぐれも「ああしろ、こうしろ。」とうるさい親のような振る舞いを見込み客にするべきではありません。

もちろんその理由は(繰り返しになりますが)、「ああしろ、こうしろ。」という類のアドバイスは、たとえそのアドバイスが「良かれと思ってやった」ものであっても、見込み客の反発を招いてしまうからです。

例えば勉強が嫌いな子どもに「勉強しろ!」とアドバイスしても、あなたはウザがられるだけです。同様に「この商品を購入しなさい!」とアドバイスしても、あなたはウザがられてしまうでしょう。

あなたがやるべきことは子どもに「勉強したい!」と思ってもらうことです。同様に、セールスマンのあなたがやるべきことは、見込み客に「この商品を買いたい!」と思ってもらうことです。

「思ってもらう。」という点が非常に重要なポイントになります。人は誰しも「自分が正しいと思ったこと。」は信じて疑いもしない傾向が強いですが、他人から真実だと教えられたことには疑いをもつのが自然だからです。

あなたは驚くかもしれませんが、今日の講義でわたしが主張したことを理解していない人は非常に多いのです。

その証拠にあなたのメールボックスをチェックすれば、「割引しています!買ってください。」とストレートに伝えるだけの企業(情報発信者)がたくさん見つかるはずです。

マーケティング活動において、あなたが本当に伝えたいことはストレートに伝えてはいけません。あなたは「新しい視点の伝道師」になるべきなのです。

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対立は『少しずつ』、『繰り返し』強めるべし!

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売り込まずに売る極意