解説)ニッチを探すということ

これまでの講義でたくさんのことを解説してきましたので、少し頭が混乱している人も多いだろうと思います。

そこで今回の講義では、これまで学習してきたことを整理していきたいと思います。

これまでの講義を復習しよう

これまでの講義で解説してきたことを一言で表現するならば、『ニッチを探す』(アイディアを深める)です。図示すると以下のようになります。

ニッチとは?

STEP4では「アイディアを創る」ということに挑戦してもらい、STEP5では「切り口を探す」(見込み客を探す)ということについて詳しく解説しました。

そして「アイディア」と「切り口」をかけ算したものを本教材では『ニッチ』と定義することにします。

ニッチを探すことはおそらくあなたが思っているよりも重要です。なぜならば、ニッチを探し当てることそのものが『社会的意義を探すこと』であり、『付加価値の源泉』でもあるからです。

例えば前回の講義で紹介した『カレー賢人』は、『職人がつくる金型食器』というアイディアに『カレー』という切り口が掛け合わされた結果、誕生したものです。

もし誰も同じようなアイディアと切り口をかけ合わせなければ????おそらく『カレー賢人』はこの世に誕生していなかったでしょう。

勘のいい方であれば、すでに魅力的なレッテルを創るための準備はほとんど終了していることがわかるはずです。

例えば『カレー賢人』を販売している山崎金属工業の場合、「カレーをもっと美味しく食べたい方(切り口:見込み客)のために、カレー専用のスプーン(アイディア)を提供している山崎金属工業です。」という自己紹介になるでしょうし、『カレー賢人』が商品名(人間にとっての肩書)となるわけです。

日本人にとってカレーは国民食のようなものですから、「カレーをもっと美味しく食べたい方」と呼びかけるだけで沢山の方が、心のどこかに隠れていた『興味アリ』のスイッチを押されるはずです。

カレー好きな人は「どこのカレーが美味しいか?」という話題が大好きですが、今回はカレーそのものがテーマになっているわけではなく、話題の中心は「スプーン」なわけですから意外性があります。なおさら心のどこかに隠れていた『興味アリ』のスイッチが押される可能性は高いでしょう。

さて以上の内容が、これまでの講義の総復習的な内容なのですが、せっかくなのでもう少しニッチの奥深さについて解説しておきたいと思います。

一発屋にならないために

あなたはすでにアイディアと切り口をかけ算する考え方について学習しました。ニッチを1つでも探し当てることができれば、あなたは人生を変えるチャンスをつかんだことになります。

とはいえ油断は禁物です。ニッチを探し当てたということは、『チャンスを見つけました』というだけのことです。見つけたチャンスは、つかまなければ意味がないということは忘れないでください。

そしてさらに重要なことは、あなたが見つけたチャンスが魅力的であればあるほど、そのチャンスに群がってくるライバルも多くなるということです。

つまりあなたが一発屋になりたくないのであれば、今のうちから一発屋になった後のことを考えておかねばならないということです。具体的には、「ライバルに打ち勝てる根拠」(差別化要因)を検討しておかねばならないということです。

前回の講義から何回も登場している『カレー賢人』の場合、一番の差別化要因は「職人」の部分だと思います。要するに、同業他社がマネしようと思ってもマネできない要素が残されているからこそ、一発屋で終わらずに勝ち続けることができているのです。

さまざまな差別化要因

差別化要因とは、「ライバル(同業他社)がマネしたくてもマネできないか、マネできるけどめんどくさいもの」です。

抽象的な言い回しをせざるを得ないほど、「え?こんなことが?」という意外なことや、周囲からは差別化要因だと認識されないものが立派な差別化要因だったりもします。

マネできないもの

例えば同じ製造業でも、エルメスの営業利益は30%を超えていますがプラダの営業利益は10%弱です。なぜ?これほどまでの差が生まれるのかといえば、エルメスのブランド価値の方が大きいからです。

プラダが「これからエルメスを目指す」と宣言したところで、宣言した瞬間に「偽物」というイメージが付きまとうでしょうし、これまでプラダのファンを裏切る行為でもあるので、そう簡単にブランドイメージを刷新することもできません。つまり目に見えないブランド価値そのものが、立派な差別化要因になっているのです。

以上「マネしたくてもマネできない」という差別化要因について解説してきましたが、マネできるけどめんどくさいものも差別化要因になります。

めんどくさいもの

めんどくさいことも差別化要因になります。例えば『カレー賢人』のウリの一つは、職人が1本1本の製造に携わるということですが、効率性を追及する大企業にとっては、マネしようと思えばできないことはないかもしれないけどめんどくさいことだったりします。

そしてわたしたち個人だって、ほんの少し工夫するだけで『カレー賢人』のようにライバルとの差別化を図ることができるということは見落としてはいけない事実です。

ほんの少しの工夫でできる差別化とはズバリ、、、、、「熱意」です。投資の神様、ウォーレンバフェットも「熱意こそ抜きんでる対価」という名言を残しているように、熱意があるというだけで武器になります。

あなたは「熱意がないのにビジネスやっちゃダメでしょ?」と思うかもしれませんが、楽してお金を稼ぎたいという気持ちが強すぎて、熱意がないことに取り組む人も多いのです。

その一方で熱意があることに挑戦している人は、他人がやりたがらないことに自然と気づくことができます。例えばわたしは有料会員向けサービスを運営しており、『リッチになるための情報』を顧客に毎日届けていますが、マメに情報発信することをめんどくさがるライバルも多いのです。

ニッチは絞りすぎないほうがいい

今回の講義では、ニッチについて解説しましたし、ニッチを選ぶ時の注意点として「差別化要因」についての話についても少しだけ触れました。

おそらく今のあなたは、たくさんのアイディア、たくさんの切り口の組み合わせを目の当たりにして圧倒されていると思いますし、「差別化要因」について検討しようとして頭がパンクしそうになっていると思います。つまり今のあなたの状況を図示すれば、以下のようになるでしょう。

アイディア×切り口

アイディアが複数あるかもしれませんし、1つのアイディアに複数の「見込み顧客」(切り口)が紐づいている状態だと思います。

あなたは「どのニッチで勝負すればいいのだろうか?」と悩むかもしれませんし、ビジネスアイディアについての本を読めばニッチを評価する基準があることもすぐにわかると思います。

例えば、『市場性』(見込み客はいるのか?)、『独自性』(差別化できるのか?)、『発展性』(どこまで大きくできるのか?)、『収益性』(儲かるのか?)、『継続性』(続けられるのか?)、『実行可能性』(できるのか?)などの基準がビジネスアイディアを評価するときの代表的な指標として知られています。

しかし現実問題として、ビジネスをやる前からそれらのことがわかるのか?という不安を払しょくすることはおそらくできません。特にこれからビジネスに挑戦する人にわかるわけがありません。

ですからわたしのおススメするやり方は、『継続性』と『実行可能性』について目途がついたら『テストしてみる』というやり方です。例えば本教材は「自己紹介」というアイディアの商品ですが、どの切り口で販売したら売れるのかわかりません。ですからテストして市場の反応を確かめてみるのです。

ここで前回の講義でわたしが紹介したアイディアの神様の格言を思い出してください。その格言とは「アイディアは考えるのではない。発見するものだ。」です。そしてこの格言は、そっくりそのままニッチにも当てはまります。つまり「ニッチは考えるのではない。発見するものだ。」ということです。

そもそも「どのニッチの反応がいいか?」ということは、見込み客が決めることであって、アイディアを提供する側が決められることではありません。もしアイディアを提供する側が相手の気持ちをコントロールできるというならば、消費活動が縮小して不況になることもないはずです。

ですからアイディアを一つに絞ったら、複数の切り口でテストしてみることをおススメします。テストしてみるだけで、市場性、発展性、収益性について架空の数字(結果)で議論するという不毛な作業から解放されるはずです。是非ともテストしてみてください!!

最後に

現時点のあなたは「複数のニッチをリストアップしている」という状態にいると思いますが、その状態にまで到達できているでしょうか?

もしまだ「複数のニッチをリストアップしている」という状態にいないのであれば、アイディアを創る作業と、切り口について調査する作業に専念して、とにかくニッチを探すことに集中すべきです。

もしかしたらニッチを探すこと自体が、時間のかかる作業かもしれませんし、時には「難しい」と感じて投げ出したくなるかもしれませんが、それがビジネスの醍醐味でもあることは忘れてはいけません。

ビジネスの醍醐味は勉強できないところにあるのです。なぜならばビジネスで勝つ原則は『誰よりも早く問題を探し、誰よりも早く解決すること』だからです。

本教材風に言い直すならば、「あなたが輝く秘訣は、誰よりも早く魅力的なニッチを探し出し、誰よりも早く魅力的な肩書・自己紹介を発信すること」です。

次回からは、魅力的な肩書・自己紹介を創る方法を解説していきます。お楽しみに!

■ 次はコチラ

忘れられないネーミング

■ Module3のTOPへ戻る

魅せる自己ブランディング