10万円の炊飯器

10万円の炊飯器を購入しました。といっても、わたしではなく、わたしの母が購入しました。

わたしは5,000円の炊飯器を10年以上使っているので、炊飯器に10万円以上のお金を出す気持ちがわかりませんでした。

しかし「他人の気持ちがわからない」という時ほど、情報発信者として成長できるチャンスでもあるのです。

母の言い分

わたしはなぜ?母が10万円の炊飯器を購入したのか質問してみました。すると母はこういいました。「1日当たりにすると50円もしないのよ?」と。

どうやら炊飯器を5年周期で購入する予定なのだそうですが、炊飯器の購入代金10万円を5年間の日割り計算にすると、約50円になるのだそうです。

母は炊飯器のセールスマンのように、炊飯器を購入した理由をたくさんわたしに教えてくれました。

わたしからすれば、母は「欲しいから買った」のだということは明らかでした。料理好きで、パンより白米派の母にとっては、美味しいご飯を炊ける炊飯器は、子どもにとっての玩具のような存在だったのだと思います。

ここでわたしが気づいたことは、母はストレートに「美味しい白米が食べたいから。」と、わたしには言わなかったということです。

「美味しい白米を食べたい」というのは欲求です。性的な欲求と違って他人に隠すようなものではありません。しかし母は本当の理由を隠したのです。

ではなぜ?母は本当の理由を隠したのでしょうか??

ここからはあくまで推測でしかありませんが、わたしはこのように推測しました。

わたしの母が「美味しい白米を食べたい」という欲求を隠した理由は、母が肥満体質だったからです。炭水化物ダイエットが注目を集めていた時だったので、わたしは炭水化物を極力摂取しない食生活をしていましたし、「炭水化物の食べ過ぎはよくない」という話を母とした記憶もありました。

そんな時に、息子から「10万円もする炊飯器」を購入したところを発見されたのです。母は気まずかったのだと思います。わたしが「なぜ?炊飯器を購入したのか?」という素朴な疑問ですら、母の立場からすれば「息子からの批判」に聞こえていただろうと思います。

だからこそ、「わたしは無駄遣いをしているわけじゃない。」ということをアピールするために、、、、10万円の炊飯器を購入した罪悪感を薄めるために、「1日当たりの価格」という理屈を持ち出したのでしょう。

整理すると、こういうことです↓↓↓↓

母は「美味しい白米を食べたかった」(欲求)、「朝食に美味しい白米の上に辛子明太子をのけて食べることにワクワクしていた」(感情)、「1日50円の炊飯器を購入するのは、主婦として当然の権利であるどころか、批判されるどころか感謝されるべき行為である」(思考)と考えたということなのです。

答えはない

『トレース 科捜研法医研究員の追想』という漫画があります。関ジャニ∞の錦戸亮さん主演のドラマ「トレース~科捜研の男~」(フジテレビ系列)の原作です。

この漫画のなかで、自殺が強く疑われる事件が発生するのですが、この事件を担当した刑事は「間違いなく自殺だから、あちこち鑑識作業をする必要はない」と頑なに主張します。

しかし主人公の鑑識職員は、「わたしが信じるのは、あなたの思い込みではなく、鑑定結果です。」と言い放ち、納得のいくまで鑑識作業に没頭するのでした。

もしあなたが情報発信で成功したいのであれば、あなたは思い込みの激しい刑事ではなく、鑑識職員のような態度をとらなければいけません。

つまり現場から証拠を探し、証拠から事件の全貌を再現するというプロセスを踏む必要があるということです。

欲求・感情・信念のどれから探る?

冒頭で紹介した「10万円の炊飯器」の話を思い出してください。わたしの母が明らかにしたのは「思考」でした。しかし思考を理解するのは、誰でもできる作業です。

もしあなたが情報発信で成功したいなら、思考というレベルで物事を理解するのではなく、欲求や感情レベルで物事を理解する必要があります。

「10万円の炊飯器」のケースでは「1日あたり50円」という思考が手掛かりになりましたが、感情や欲求が手掛かりになることも多いです。感情から欲求や思考を再現することもできますし、欲求から感情や思考を再現することができます。

もちろん、思考・感情・信念から再現した「事件」の全貌は、あくまでも『再現』であって『事実』ではありません。ですから再現した結果に信ぴょう性があるかどうかは、常にテストしなければいけません。

検証・検証・検証

「10万円の炊飯器」事件の場合、わたしはわたしの再現結果に信ぴょう性があるか探りました。

わたしは母に質問しました。「いいよね。10万円の炊飯器で炊いたご飯はやっぱり美味しかった?」と。

結果は、「そうなのよ。やっぱり美味しいのよ。全然違うのよ!」といいながら笑う『母の満面の笑顔』でした。わたしは自分の推測が正しいことを確信したのでした。

もちろん、現代はネット社会ですから、読者の反応を示すあらゆる数字を捕捉することができます。例えばブログによる情報発信であれば「一番読者に見られているページの滞在時間」などを確認することができますし、メルマガであればメルマガの開封率・クリック率・クリック回数などをチェックすることができます。

数字は嘘をつきません。読んでくれてる人が増加していたり、売り上げが右肩上がりなら『正解』ですし、そうでなければ『不正解』なのです。

そしてもし不正解でも悲観する必要はありません。なぜならば、検証した結果がマズければ改善すればいいからです。最悪な態度は、不正解であることに気づかずに改善を加えないことです。

手がかりを探し、再現する、そして検証する。正解ならよし。不正解なら改善する。その繰り返しで情報発信のスキルは必ず上達するということを是非、素直に受け入れてください。

最後に

これまでの講義では、「手がかりを探す」という部分の重要性について深堀してきましたが、「再現する」の部分にはあまり触れてきませんでした。

「再現する」ということは、本来であればModule6で説明すべきことですが、せっかくの機会なので次回の講義で説明したいと思います。お楽しみに!

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